フロン排出抑制法施行について

フロン排出抑制法施行について

フォークリフトもホイールローダーもショベルローダーもフロン抑制法の対象になります

※この情報は2022年5月時点のものです。詳細は環境省の「フロン排出抑制法」ポータルサイトでご確認ください。

2015年4月に「フロン回収・破壊法」が改定され、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(略して「フロン排出抑制法」)として実施されました。これはフロン類の回収や破壊に関する規定の改善を目指しています。

さらに、10年以上も4割未満の回収率が続いていたため、ユーザーが廃棄機器のフロン回収を怠る違反に対して直接的な罰則を設けるなどの法改正が実施され、2020年4月1日から施行されています。この新しい法律では、フロンの回収・破壊だけでなく、製造から使用、廃棄に至るまでの「フロン類のライフサイクル全体にわたる包括的な対策」が求められるようになりました。

フロン排出抑制法の対象

各段階の当事者それぞれが対象になり、所有者様は、「管理者※」に該当します。

※「管理者」とは原則として、当該製品の所有権を有する企業及び法人のことを指します。ただし、例外として契約書等の書面において保守・修繕の責務を所有者以外が負うとされている場合は、その企業及び法人が管理者となります。

管理者に求められること

機器の設置に関する義務

■機器の適切な場所への設置

機器の損傷等を防止するため、適切な場所への設置、設置する環境の維持・保全

※振動源を周囲に設置しない、点検・修理のために必要な作業空間を確保する、機器周辺の清掃を行う

機器の使用に関する義務

■機器の点検の実施

全ての機器について簡易点検を実施。さらに一定規模以上の機器については、専門的な定期点検を実施

※義務の履行のため、所有・管理する機器のリスト化と点検体制・スケジュール等を検討ください。

点検項目 点検内容 点検対象条件と頻度 点検実施者 点検方法
【簡易点検】 全ての第一種特定製品 【運転席内】
  • 運転席内温度ならびに作動状況の確認
  • 製品からの異音、製品外観(配管含む)の損傷、腐食、錆び、油にじみ並びに熱交換器の霜付き等の冷媒として充塡されているフロン類の漏えいの徴候有無
【運転席外】
  • 圧縮機、コンデンサ、レシーバタンク等機器ならびに配管等の損傷、腐食、錆び、油にじみ、フロン類の漏えいの兆候有無
【条件】 全ての機器3ヶ月に一回以上 ・実施者の具体的な 制限なし 目視点検 安全で容易に目視できる場合に限定
(上乗せ) 【定期点検】うち、圧縮機に用いられるエンジンの定格出力が一定規模以上のもの 上記簡易点検内容に加えて、直説法、間接法又はこれらを組み合わせた方法による漏れ検査 【条件】 機器の圧縮機に用いられる エンジンの定格出力が7.5KW以上50kw未満(※)3年に一回以上 50kW以上は1年に1回 以上 ・機器の定期点検に関して十分な知見を有する者 (社外・社内を問わない)。 直接法や間接法による冷媒漏えい検査

※フォークリフトに用いられるエアコンでの考え方

エンジン(電動機含む)からベルト等を用いて動力を得て、エアコンディショナーの圧縮機を駆動させる機器については、当該エンジンの定格出力ではなく、当該エンジンの定格出力のうち、当該圧縮機が消費する出力により判断する。

■漏えい防止措置/未修理の機器への冷媒充填の禁止

未修理機への冷媒充填禁止

管理者は点検を行い機器の異常が確認され、その原因がフロン漏えいにある事を整備者・充填回収業者から通知された場合、速やかに漏えい箇所を特定し修理する。

やむを得ない場合を除き、修理しないまま充填を繰り返すことは禁止。

冷媒充填の規制

自社所有の機器に充塡する場合であっても、第一種フロン類充塡回収業者の登録を行った事業者でないと冷媒を充塡することはできない

登録業者の確認方法

方法1:「第一種フロン類充填回収業者」の登録番号を問い合わせる。
2015年度より法改正に伴い名称が変更
旧:第一種フロン類回収業者
新:第一種フロン類充填回収業者

方法2:環境省のホームページより検索
環境省のホームページ
https://www.env.go.jp/earth/ozone/cfc/ctr.html
千葉県庁ホームページより第一種フロン類充填回収業者一覧   
https://www.pref.chiba.lg.jp/haishi/freon/law.html

注意:
登録は会社単位ではなく事業所単位です。
例えば、ひとつの支店が登録してあっても他の支店が登録してあるとは限りません。

■冷媒充填時の管理者対応(コンプレッサを作動させる出力が7.5kw以下の場合)

※充填回収業者から発行される充填証明書は保管する(証明書は充填した日から30日以内に交付される。)。

■点検等の履歴の保存

機器の点検・整備の履歴について機器毎に記録簿に記録、廃棄した後も記録簿の保存(3年間)

■フロン類算定漏えい量の算定・報告

第一種フロン類充填回収業者から充填・回収証明書の交付を受け漏えい量を算定一定量以上漏えいした場合の毎年度の国への報告

※報告された漏えい量は会社名とともに公表されます。
※義務の履行のため、充填量・回収量の集計体制・スケジュール等を検討ください。

■機器整備時におけるフロン類の充填及び回収の委託

機器の整備の際には、都道府県知事の登録を受けた第一種フロン類充塡回収業者にフロン類の充塡・回収を委託する必要があります。

機器の廃棄等に関する義務

■機器廃棄時などのフロン類回収*の徹底

不要となったフロン類の回収依頼、「回収依頼書」又は「委託確認書」の交付、フロン類の回収・再生・破壊に必要な費用の負担

*フロン類の回収は、都道府県知事に登録を受けた第一種フロン類充填回収業者へ委託する必要があります。

機器の点検の実施について

フロン排出抑制法に基づく機器の点検は、以下の2つの方法があります。

■全ての業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器を対象とした簡易点検 (製品外観の目視確認など)
■一定規模以上の業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器を対象とした定期点検 (専門家による点検)

なお、法に基づく定期点検の対象及び点検頻度は下記の通りです。

機器の圧縮機に用いられる電動機の定格出力定期点検の頻度
7.5kW以上の冷凍冷蔵機器1年に1回以上
50kW以上のエアコン1年に1回以上
7.5kW以上50kW未満のエアコン3年に1回以上

定期点検対象機器の確認は、冷凍空調機器の室外機などの銘板に記載された、「圧縮機の定格出力」 や「電動機出力・ 圧縮機」、 「呼称出力」 などで確認できます。 不明な場合は、カタログを確認するか メーカーに問い合わせして下さい。

罰則について

以下のような場合、管理者に罰則が科せられます。

  • フロン類をみだりに放出した場合(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)※
  • 機器の使用・廃棄等に関する義務について、都道府県知事の命令に違反した場合
    (50万円以下の罰金)※
  • 算定漏えい量の未報告・虚偽報告の場合(10万円以下の過料 )

※は行政の勧告や命令を経ないで、直接罰となります。